時間切れの本当の原因
共通テスト英語リーディングは80分で8つの大問を解き切る必要があり、「最後の大問が時間切れになる」「時間はあったのに見直しができなかった」という悩みは非常に多く聞かれます。しかし、その原因は必ずしも単語力や文法力の不足ではありません。多くの場合、原因は次の3つのどれかに当てはまります。
- 精読グセが抜けておらず、すべての英文を同じ密度で読んでしまっている
- 設問を読む前に本文を読み始め、どこを探せばよいかを自分で見失っている
- 大問ごとの「使ってよい時間」を決めずに解いているため、前半の大問に時間をかけすぎる
共通テストのリーディングは、精密な文法知識よりも大量の英文から必要な情報を素早く見つけ出す力を測る試験です。したがって対策の出発点も、単語や文法の勉強ではなく「読み方・解き方」そのものを見直すことになります。
情報整理の技術
時間内に解き切るためには、本文を頭から順番にすべて丁寧に読む「精読」と、必要な情報だけを拾う「情報整理」を使い分ける必要があります。
設問を先に読む
本文を読み始める前に、設問文と選択肢の主語・キーワードだけに目を通しておきます。これにより、本文のどこに注目すればよいかを事前に把握でき、無駄な読み返しが減ります。
スキミングとスキャニングを使い分ける
- スキミング:文章全体の大まかな流れ・主張をつかむための粗い読み方。広告文やブログ記事など、全体像を把握すればよい問題で使う
- スキャニング:特定の固有名詞・数字・日付などを本文中から探し出す読み方。日程表や条件を照合する設問で使う
例)あるイベントの案内文から「参加費が無料になる条件」を問う設問が出た場合、本文全体を精読する必要はありません。設問中の「free」「no charge」といったキーワードを頭に入れたうえで本文をスキャニングし、該当箇所だけを丁寧に読み直せば十分です。
図表・複数資料の読み取り方
近年の共通テストでは、広告・グラフ・複数の意見文など、図表や資料を組み合わせて答える設問が多く出題されます。図表問題は、まず設問で何を比較させたいのか(数値の大小、条件の一致など)を確認してから資料に目を通すと、無駄な読み込みを避けられます。
大問ごとの時間配分
共通テスト英語リーディングは80分・100点で、第1問から第8問までの8題構成です。後半の大問ほど文章量が多く配点も高くなる傾向があるため、前半は素早く、後半にじっくり時間を残す配分を意識することが重要です。以下は目安となる時間配分の一例です。
| 大問 | 内容の目安 | 配分時間の目安 |
|---|---|---|
| 第1問 | 短い案内文・広告など | 5分 |
| 第2問 | やや長めの案内文・比較資料 | 8分 |
| 第3問 | 説明文・レビューなど | 8分 |
| 第4問 | 複数資料の読み取り | 10分 |
| 第5問 | 物語文・伝記的な文章 | 12分 |
| 第6問 | 説明的な長文 | 12分 |
| 第7問 | 長めの説明文・意見文 | 12分 |
| 第8問 | 最も長い説明文・意見文 | 13分 |
これで合計およそ80分になり、見直しの時間はほぼ残らない計算になります。実際には演習を通じて自分がどの大問に何分かかっているかを計測し、得意・不得意に応じて配分を微調整していくことが大切です。
時間配分の考え方の例
演習で第1問に8分かかっている場合、そこで粘って満点を狙うより、5〜6分で見切りをつけて先に進んだほうが、結果的に大問全体での得点は安定します。前半の大問は配点が低いため、時間をかけすぎないこと自体が得点戦略になります。
演習での鍛え方
時間配分の感覚は、頭で理解するだけでは身につきません。演習の中で繰り返し検証していく必要があります。
- 過去問・予想問題を解くときは、大問ごとに開始時刻をメモし、どこで時間を使いすぎたかを毎回振り返る
- 時間を計らずに丁寧に読む「精読演習」と、本番同様に時間を計る「タイムトライアル演習」を分けて行う
- 間違えた設問だけでなく、時間がかかりすぎた設問についても、なぜ時間がかかったのか(精読しすぎた、根拠箇所を探し直した、など)を言語化する
- 読むスピードそのものを上げるために、易しめの英文の音読・シャドーイングを日々の学習に取り入れる
精読演習だけを続けていると読解の精度は上がっても本番の時間内には解けるようにならず、逆にタイムトライアルだけを続けていると雑な読み方が定着してしまいます。両方をバランスよく積み重ねることが、時間切れを解消する一番の近道です。
まとめ
共通テスト英語リーディングの時間切れは、単語力や文法力だけの問題ではなく、設問を先に読む・スキミングとスキャニングを使い分ける・大問ごとに時間の上限を決めるという「解き方の技術」を身につけることで大きく改善できます。まずは自分の大問ごとの所要時間を計測するところから始め、時間配分の目安と照らし合わせながら演習を重ねていきましょう。